軍艦島の思い出

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長崎の端島(軍艦島)、三菱重工造船所、グラバー邸あたりがグロスで世界遺産への登録を勧告されたそうで。

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数年前、廃墟ブームに乗っかってちょっと話題になりかけていたころ、端島には帰省ついでに上陸してきたのですが、これからまた観光客が増えると行きづらくなりそうなので、行けるときに行っといてよかったなと。

僕が小学生の時分、夏に海遊びに出かけるのは、決まって沖に端島を望める海水浴場でした。夕日を背にしてくっきりと浮かび上がった人工的なシルエットに目を奪われ、指を差して父親に「あれは船?」と尋ねたことを思い出します。なんだか、自分が住んでいる市内とは、全く別の世界のような、全然違う文明が築かれているような、そんな不思議な気持ちで眺めていたような気がします。

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実際に船で上陸してみると、もちろんその「廃墟」としての迫力も凄まじいのですが、個人的には往復の船の中で上映されている当時の記録映像や資料が非常に興味深かったです。世界的な景気の動向と、国のエネルギー政策のうねりの中で一気に発展し、それに輪を掛けて一気に廃れていった島と、住人たちの生活に思いを馳せるに至り、得も言われぬ戦慄をおぼえました。

端島は一時期、廃墟化が進むのを見かねて産業廃棄物処理場と処分場にしてしまってはどうかという意見もあったとかなかったとか(人づてに聞いたので正確ではないかもしれません)。当時は廃墟を「遺産」として資源化できる可能性があるなんて、想像もしていなかったようです。ただ、もし世界遺産になればなったで、なるべくそれを維持していく責任が出てくるわけで、ひたすら物理的な風化が進む現実にどう対応するか、頭とフトコロを悩ませることになるのだろうなぁ、などと、いらぬ心配をしてしまうのですが。

もし今後、長崎に行って端島を見ようという方がいらっしゃったら、ぜひ、上陸後にちょっと港からは遠いのですが野母崎のほうにある「高浜海水浴場」まで足を伸ばして、夕暮れ時に海岸から眺めてご覧になってみてください。あの島が「軍艦島」と呼ばれる所以を、近くで見たとき以上に実感できるだろうと思います。

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